日本伝統の擬餌針「エギ」でイカを釣る方法は、西日本を中心に古くから船釣りで行われてきました。
しかし、今、絶大な人気を誇る、ルアータックルで岸からキャスティングで狙う釣法。
今回はエギング(堤防・磯)エギの選び方と使用タックルの基礎知識と題してお届けします。
これから数回に分けて、このエギングの魅力と技法について解説していきますので、ぜひ、チャンネル登録をして頂き、次回もご視聴頂けましたらとても励みになります!
それでは、早速、始めていきましょう!
今回の結論は次のとおりです。
伝統と進化と絶品とDIY
今回の目次です。
1 古くて新しいエギングの魅力
2 主なターゲット
3 エギの進化と選び方のヒント
4 エギのチューニング
5 使用タックル
6 エギングの必須アイテム
特典パートとして
強風下でもPEラインとリーダーを比較簡単に結べそうな方法を紹介致します。
1 古くて新しいエギングの魅力
近年、爆発的な人気となっている「エギング」とは、日本で古くから伝わる擬餌針でイカを釣る方法です。
このイカ釣り専用の擬餌針はエギ(餌木) と呼ばれ、もともとは九州や紀州の漁師が考案したものです。
しかし、現在では各ルアーメーカーでもエギを量産しており、その動きやカラーリングにはルアー的な要素がどんどん盛り込まれ、進化を続けています。
変わったのはエギだけではありません。
従来は職漁師が船からのシャクリ釣りでエギを使うのが一般的でしたが、現在ではルアーフィッシングの要領で陸からキャスティングで狙うのが主流になっています。
水中にあるエギをルアーのようにテクニカルにアクションさせて、イカたちを誘き寄せます。
まさに、ルアー感覚で楽しめるイカ釣りのスタイルとして生まれ変わりました。
さらに、エギングを楽しむフィールドも堤防や磯、 サーフなど千差万別です。
最近では、機動力を生かして遊漁船や小型ボート、手漕ぎのカヤックなどで海上からイカを狙うアングラーも増えつつあります。
ごくシンプルなタックルや仕掛けで気軽に楽しめるエギングは、ベテランのみならず、初心者の間での人気も急速に高まっています。
今回から、この人気のエギングについて、エギやタックルの選び方、釣り場へのアプローチ術、実際の釣りのテクニックなどをくわしく紹介していきます。
2 主なターゲット
エギングで釣れるイカの種類は、アオリイカ、コウイカ、ケンサキイカ (アカイカ)、ヤリイカ スルメイカ、ヒイカなど数多くいます。
さらに、マダコやイイダコなどもエギングで釣ることが可能です。
このなかでも、もっとも人気が高いのはアオリイカです。
その食味のおいしさも人気の理由ですが、最大では3kgを超える大型のファイトが非常にスリリングなことも大きな魅力といえます。
また、コウイカというのは釣り人が使っている俗名で、正しくはスミイカやカミナリイカ、シリヤケイカなどに分類されます。
奄美地方ではコブシメと呼ばれる巨大なコウイカも棲息していて、本州から遠征して楽しむアングラーも少なくはありません。
イカ釣りのシーズンは地域差がかなり大きく、イカの種類を問わなければ一年中楽しめるエリアも多いですが、一般的には産卵の時期に重なる春、そして冬に備えて荒食いをする秋が釣りやすくなっています。
エギングの主なターゲットについて、それぞれの特徴を解説します。
アオリイカ
エギングのメインターゲットで、北海道南部以南の全国各地に分布しています。通常のシャクリ釣りのほか、港内などに浮いているイカを視認してのサイトフィッシングも楽しめます。最近は大型をターゲットにした、 超遠投&超ディープ狙いも人気です。
シリヤケイカ
斑模様が特徴的なコウイカの仲間で、北海道以南の各地に分布しています。スミイカ同様に、ボトムのズル引きが基本的な釣り方となります。また、地域によっては胴付き仕掛けに数本のエギを結んで釣る方法も人気です。コウイカ専用の仕掛けも販売されています。
スミイカ
コウイカの代表格です。
関東以南に分布していて、とくに東京湾では乗合船もあるほどの人気ターゲットです。釣り方としては、アオリイカと同じシャクリ釣りだけでなく、エギにウエイトを追加して、海底をズルズルと引いてくる方法も有効です。
ケンサキイカ
地域によってアカイカやマルイカとも呼ばれ、東北以南の全国各地で釣ることができます。アオリイカ同様のシャクリでも釣れますが、活性の高いときには中層から表層にも浮いてくるイカなので、中層でエギをシェイキングして誘う釣り方も楽しめます。
3 エギの進化と選び方のヒント
日本の伝統漁法から編み出されたエギは、もともとエビや小魚を模したものだとされており、その独特な形状は現在でもそれほど変化していないように見えます。
しかし、どんどん進化を続けるエギングのテクニックに追従するかのように、エギもアングラーの意のままにコントロールできる動きを身に付けています。
具体的には、縦横へのジャークやトリッキーな動きが盛り込まれ、微妙なロッドワークにもレスポンスよく即座に反応してくれます。
このように、アングラーが自分の判断で的確なエギを選べるようになったことが、エギングの人気に拍車をかけた要因のひとつともいえます。
しかし、エギのサイズや号数表示などは明確な規格が設けられておらず、各メーカーによってバラバラなのが現状です。
そこで、シーズンを通して同じメーカーの同タイプのエギを使う考え方があります。
こうすることで、エギの沈下速度やシャクリを入れたときの移動距離、レスポンスなどを自分の身体に覚え込ませることができ、水深や状況の違いに合わせた的確なエギ選びができるようになります。
ここでエギについて詳しく解説します。
まずは、エギの各部の役割について解説します。
【アイ】
ルアー同様に、エギでも目は重要な集魚効果を持ちます。
蓄光性タイプのものなら、さらにアピール度が高くなります。
【ラインアイ】
ラインを結ぶ箇所です。
金属環タイプが主流ですが、伝統的なヒモタイプもあります。
【ウイング】
エギの沈下姿勢のバランスを保つ重要なパーツです。
鳥の羽根でできているものや化学繊維のものがあります。
【シンカー】
エギの動きや沈下速度を左右するパーツです。
鉛製やタングステン製があります。
【ボディ】
エビや小魚を模した形状になっています。
材質は木製や樹脂製などがあります。
イカがエギを抱いたときに違和感を与えないために、ボディ表面は色とりどりの布やメッシュなどで包まれているのが特徴です。
【カンナ】
ルアーのフックに当たる部分です。適度に伸びるため、根掛かりしたときの回収率が高くなります。
続いて、エギのカラーの選択の目安です。
イカは色の違いが分からないと言われてますが、一方、エギの色の違いでヒット率は変わります。
実績が高いピンクとオレンジなどのアピール系は常備しておきましょう。
しかし、澄み潮時や晴天時には青や緑のナチュラル系、イカの産卵期には茶色などの地味系も活躍します。
エギに対するイカの反応は、布巻きの下地となっているカラーによっても違いが出てきます。
一般的には、金や銀、赤などのカラーが多く使われていますが、これらのなかでも潮色や天候、水温、イカの活性などによって、ヒットするカラーが微妙に変化してきます。
エギのサイズの使い分け方についても押さえておきます。
シーズンを通して多用するエギのサイズは、3~4号になってきます。
とくに 3.5号は浅場でも深場でも使えるので、まずはこのサイズをメインに用意しておくといいでしょう。
また、秋に多くなる小イカの数狙いでは2.5号の小型エギも活躍してくれます。
エギのサイズの選び方の目安は次のとおりです。
2.5号以下
小型イカ狙いや超浅場での釣りで使用します。
アピール度は低めです。
3号
浅場の釣りをメインに一年中使える基本サイズです。
3.5号
場所を問わずに一年を通して使えるオールラウンダーです。
4号
潮流の速い場所や深場狙いにおすすめです。
アピール度は高くなります。
4号以上
深場の大物狙いや超遠投したいときに使用します。
アピール度はかなり高くなります。
4 エギのチューニング
エギを自分なりにチューニングして使っているアングラーは少なくありません。
なかでもよく知られるのが、優れた集魚効果を持つといわれるアワビシートの装着です。
エギの背中や腹といったイカが抱きつく部分に、小さくカットしたアワビシートを貼り付けるだけの簡単チューンですが、とくにイカの活性が渋いときには、かなりの効果を感じることができます。
アワビシートは釣具店やルアーショップなどで買うことができるので、ぜひ試してみましょう。
また、ウエイトを追加して沈下速度を速くするチューニングもポピュラーに行われています。
エギのバランスを損なわないように、シンカー部分にイトオモリを巻いたり、ラインアイにスナップを介してオモリを追加する方法が一般的です。
エギのチューニングについて、もう少し詳しく解説します。
【アワビ貼り】
アワビシートは全面に貼る必要はなく、背中や腹側に貼るだけで効果を期待できます。
エギ専用に小さくカットされたシートも市販されています。
【ウエイトの追加】
エギの沈下を速くしたいときには、ボディにイトオモリを追加するといいです。
バランスが崩れないように、シンカーの部分に巻くのがコツです。
【根掛かり対策】
海藻が多い場所では、カンナの下半分をペンチで曲げると根掛かりを減らせます。
カンナをカットしてしまうとバランスが崩れるので注意しましょう。
5 使用タックル
こうしたエギングのスタイルを快適に楽しませてくれるのが、専用ロッドの存在です。
エギをリズミカルにシャクるために腰の強いブランクを採用し、激しいシャクリを入れたときや強風でラインがフケてしまうときでも、ラインがガイドに絡みにくい設定になっているのが最大の特徴です。
現在では、使用するエギのサイズや釣り場の状況などに応じて、さまざまな長さやパワーの異なるエギングロッドを使い分けるアングラーも増えています。
ラインに関しては、エギの動きを自在にコントロールするために、伸びの少ないPEラインを使うのが現在の主流です。
ラインの太さは細いほど潮流や風の影響を受けにくく、エギの動きもナチュラルになりやすいため、 0.6号の極細を使用します。
反面、エギが根掛かりしたときにロストすることも増えるので、始められる方は実際には0.8~1号のラインを使うのが無難です。
PEラインは根ズレに弱く、エギと直結したときの強度にも不安があるため、通常のルアーフィッシングと同様に先端部にショックリーダーを結節しておきましょう。
この場合、PEラインの結節強度を損なわないために、FGノットが主流ですが、比較的手軽に結べる摩擦系のノットを特典パートで紹介します。
エギングに使用するタックルについて詳しく解説します。
【ロッド&リール】
最初にそろえるタックルとしては、平均サイズの3.5号のエギを無理なくキャストできる長さ8フィート前後のミディアムライト~ミディアム・アクションのロッドと、小型スピニングリールの組み合わせが基本となります。
一方、重めの4号のエギを多用する場合、あるいはロングキャストで沖のポイントを攻めたい場合は、長さ9フィートクラスのパワフルなロッドも欲しくなるところです。
逆に、秋イカなどの2.5号前後の小型エギを使ってテクニカルなアクションを与えたいときには、7フィート程度のショートロッドがお勧めです。
【PEライン】
エギングで使用するミチイトは、強度や感度に優れているPEラインが圧倒的に人気です。
長さは150mほどリールに巻いておきましょう。
太さは、0.8~1号程度が風や潮流の影響を受けにくく、ライントラブルも少なくて扱いやすいです。
【ショックリーダー】
ショックリーダーは、比重があって水に馴染みやすく、エギの自然な動きを損ないにくいフロロカーボン製がお勧めです。
耐摩耗性にも優れているので、根ズレに対しても安心です。
太さは、2~2.5号が目安となります。
【ギャフ、 玉網】
大型イカを取り込むには、ギャフか玉網が必須となります。
現在は、携帯に便利なエギング専用のギャフを使うアングラーが多いようです。
ただし、リリース前提で楽しむならイカにダメージを与えにくい玉網を使用しましょう。
エギングの仕掛けの例です。
エギングの仕掛けは、リーダー先端にエギを直結するか、スナップを介してセットするだけとシンプルです。
エギを海底でズル引きしてコウイカを専門に狙う場合は、スナップ部分に1~2号程度の軽いナス型オモリをセットする方法もあります。
6 エギングの必須アイテム
エギングは、軽快な装備で楽しめることも魅力のひとつです。
しかし、快適に釣りをするためには、必要最小限のアイテムは用意しておきたいところです。
必須といえるのは、安全のためのライフジャケットと水中を観察するための偏光グラスです。
エギを収納するためのケース、釣れたイカの取り込み時に使うギャフ (または玉網) などがあります。
足場が滑る場所では、スパイクソール (またはフェルトスパイク) の磯靴を着用したいですね。
それでは特典パートです、
強風下でもPEラインとリーダーが結べそうな方法を紹介します。
結ぶ手順は次のとおりです。
- リーダー先端から10cmの位置に8の字結びを作り、ループ部分にPEライン先端を通して、30cm ほど出しておきます。
- PEラインをリーダーに密に8回巻き、9回目にハーフヒッチで仮留めします。
- 巻き付けたPEラインを軽く締めて密に詰めます。
- 巻き付けた部分の上から、今度はリールの方向に向かって8回巻き付けます。
- リーダーの本線側からPEライン先端を8の字のループに通します。
- 巻き付けた部分が8の字結びの中にズレないように締め込みます。
さらにリーダー先端とPEラインを一緒に持ち、リーダー本線と逆方向に強く締めます。
- メインラインの先端を使って、リーダー先端とPEラインの本線を束ね、ハーフヒッチで10回ほど編み付けます。
- リーダーの余りをカットし、さらにPEラインを保護するためにPEライン本線にもハーフヒッチを5~10回行って完成です。
今回の授業は以上となります。
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最後までご視聴ありがとうございました。
また、次の動画でお会いしましょう。
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