釣り糸の号数とポンド

🧵タックル(釣り具)

いつもご視聴いただき誠にありがとうございます。釣りって、学べる。です。今回のテーマは「釣り糸の号数」を解説していきます。

釣り糸の太さを表す表記について、主に号数とポンドが使用されます。釣り糸にはナイロン、フロロカーボン、PEラインなど、いくつかの種類がありますが共通して使用される太さを表す単位になります。釣り糸は、細くて丈夫なものほど優れているということが基本になります。太い糸は、周囲から受ける抵抗が太くなるほど大きくなって、潮や風の影響をより受けて魚のアタリが伝わりにくくなったり、キャスティングの飛距離が落ちてしまったりします。だからといって、細くしすぎて、せっかく魚が掛かったときに強度が足りず切れてしまっては釣りになりません。今回はこの「太さ」に関する内容を解説いたします。今回の「釣り糸の太さ」を学ぶことによって、釣り糸を使用する際にしっかりと理解できた上で釣り糸を選択できるようになります。最後まで宜しくお願い致します。いつものように結論からみていきましょう。

  1. 号数は釣り糸の太さ
  2. ℔は耐えられる重さ
  3. PEの基準は重さ

それではこの3つについて解説いたします

号数は釣り糸の太さの単位

号は釣り糸の太さの単位について解説いたします。

釣り糸の「太さ」を表す「号数」は、1号、3号、3号と、数字が大きくなるほど太くなります。ナイロン、フロロ、ポリエステルの釣りイトについては、「1号あたり標準直径0.165mm」という基準規格があります。これらのイトは単糸(たんし)といって1本のままの化学繊維であって、直接太さを計測することができます。平成22年に日本釣用品工業会が定めた基準規格では、標準直径は、製品の一点を三方向から計測した平均値と決められています。

ナイロン糸・フロロカーボン糸・ポリエステル糸の標準直径は次のとおりです。

号柄標準直径(mm)
0.10.053
0.150.064
0.20.074
0.250.083
0.30.090
0.350.097
0.40.104
0.50.117
0.60.128
0.80.148
1.00.165
1.20.185
号柄標準直径(mm)
1.50.205
1.750.220
20.235
2.250.248
2.50.260
2.750.274
30.285
3.50.310
40.330
50.370
60.405
70.435
号柄標準直径(mm)
80.470
100.520
120.570
140.620
160.660
180.700
200.740
220.780
240.810
260.840
280.870
300.910
号柄標準直径(mm)
401.050
501.170
601.280
701.390
801.480
901.570
1001.660
1101.740
1201.810
1502.030
2002.340

この表の数値について、もう少し具体的にポイントを紹介いたします。号数と太さは単純に比例して太くなっていくものではありません。2号は1号の2倍の太さ、10号は1号の10倍の太さではありません。

これには釣りイトの号数ができたに歴史に関係しています。ナイロンの釣りイトができる前、テグス(天蚕糸)が広く使われていました。テグスとは天蚕(ヤママユ)の繭からとった天然の繊維になります。もともとは、長さ、5尺(約150cm)を元に分、厘、毛といった単位で分けられて販売されていました。しかし、分、毛、厘とは、長さでなく質量(重さ)の単位になります。当時、細いテグスは太さを直接測ることができないため、単位当たりの重さの違いにより分けていました。

そして、時代は流れ、1959年ころ、このうちの1厘のテグスの太さが、およそ0.165mmだったことで、日本で初めてナイロンの釣りイトを販売したメーカーが、1厘のテグスの太さに相当するナイロンラインを「1号」と定められました。

℔は耐えられる重さ

℔は耐えられる重さについて解説いたします。

「号数」は糸の太さが関係していることが分かりました。ほかにも釣り糸の「強さ」の表し方に「ポンド(lb)」や「kg」で表記される場合があります。正確には「強力」といい、「直線強力」や結んだ時の強さ「結節強力」といった言い方もします。「どのくらいの負荷(=重さ)が掛かったら切れるのか?」という値を示すものになります。

国内ではポンドと号数が一緒に表記されている場合も多いですが、海外では号数表記ではなく、強力(=ポンド)表記が基準になっています。そのため、国内メーカーが作っている釣りイトでも、ルアーフィッシング用ラインのように海外でも販売されやすいものは、ポンド表記のものが多くなっている。

ちなみに1ポンドは約0.454kg。ポンドをkgに換算する場合は「約半分」と覚えておいてもいいと思います。

あくまで便利な使い方として、ナイロン・フロロの釣りイトをポンドから号数に置き換えたい場合、「ポンド÷4=号数」(逆なら×4)という換算がよく使われます。特に細めのラインでは有効で、例えば8lb÷4=2号、12lb÷4=3号、16lb÷4=4号といった具合で使用しますが、太くなってくるとズレが大きくなってきます。

ナイロン・フロロラインの号数と協力は次の通りです。

強力(lb)号数(kg)
3lb0.8号1.4kg
4lb1号1.8kg
6lb1.5号2.7kg
8lb2号3.6kg
10lb2.5号4.5kg
12lb3号5.4kg

PEラインの場合は、「ポンド÷10=号数」という換算が1つの目安とされてきましたが、「ポンド÷15~20=号数」(逆なら×15~20)という換算が当てはまるケースも増えてきています、例えば、8lb÷10=0.8号となる場合や、8lb÷20=0.4号相当などとなる場合もあります。これはPEラインの場合、原糸に用いる素材自体の差や、4本縒り(より)、8本縒りといった構造の差が、ナイロン・フロロ以上に糸の強さに大きく影響してきます。

PEラインのおよその号数は次のとおりです(lb÷10~20=およその号数)

強力(lb)号数
12lb0.6~1.2号
14lb0.7~1.4号
16lb0.8~1.6号
20lb1~2号
24lb1.2~2.4号
30lb1.5~3号

ポンド表記されたラインには「lbT(ポンドテスト)」と「lbC(ポンドクラス)」という種類があります。「16ポンドテスト」のラインという場合は、「16ポンド(約8kg)より小さな負荷では絶対に切れません。」ということを示しています。

スポーツフィッシングが盛んな国といえば、アメリカが挙げられます。例えば「I.G.F.A.(国際ゲームフィッシュ協会)」のルールでは、釣った魚を記録として申請する場合「何ポンドクラスのラインで釣ったのか?」の申告が求められます。「16ポンドクラス」のラインという場合は、「16ポンド(約8kg)以上の負荷がかかると切れるライン」ということを示しています。つまり「16ポンドクラス」のラインを使っていれば、「(これだけの大きな魚を釣るのに)16ポンド以上の負荷なら必ず切れるラインで釣りました」ということになり、スポーツフィッシングの世界では、フェアプレーも重視されることが背景にあります。

PEの基準は重さ

PEの基準は重さについて解説いたします。

PEラインの号数表記には、また別の基準があります。日本釣用品工業会が定めたPEラインの基準規格は、「1号=200d(デニール)」というものです。デニールとは長さ9000m当たりの質量をグラム単位をもって表わしたもので、「200d=9000mが200g」で表します。

PE糸の太さ標準規格

号柄標準値(d)
0.120
0.1530
0.240
0.2550
0.360
0.3570
0.480
号柄標準値(d)
0.5100
0.6120
0.7140
0.8160
1.0200
1.2240
1.5300
号柄標準値(d)
1.7340
2400
2.5500
3600
4800
51000
61200
号柄標準値(d)
81600
102000
122400
153000
204000
255000
306000

PEラインは極細の原糸を複数本編む組糸で、編む原糸の本数や編む密度にも幅があります。ナイロンやフロロのように真円でなく、原糸の間に細かな隙間があり押せば潰れる構造です。そのため、直径を測るのではなく、テグスと同じように重さが基準になってきます。そのうえで、PEラインの1号は、感覚的な太さでいえばナイロンやフロロカーボンの1号と同じくらいになるとされています。

まとめ

今回のまとめです。

号数、ポンド、そして、デニールについて解説してきました。最後にもう一度、一般的によく使う目安の変換方法を復習しておきましょう。

ポンドをkgに換算する場合は「約半分」です。1ポンドの半分で約0.454kgとなります。kgをポンドに換算する場合は「約倍」です。1㎏の倍で約2ポンドとなります。ポンドを号数に換算する場合は「ポンド÷4=号数」です。4ポンドで1号となります。号数をポンドに換算する場合は「号数×4=ポンド」です。1号で4ポンドとなります。ちなみに4ポンドの半分で約2㎏ということは1号でおよそ2㎏ということになります。PEラインのポンドを号数に換算する場合「ポンド÷15~20=号数」です。8lb÷10=0.8号となったり、8lb÷20=0.4号となったりする場合があります。最後にPEラインの基準規格は、「1号=200d(デニール)」となり、1号あたり9000mで200gとなります。一度にすべて覚えると大変なのでまずは身近な釣りで使用しているラインで練習してみることをおすすめします。

今回の授業は以上となります。釣り糸の号数とポンドの授業が、ライン選びの参考に少しでもなれれば嬉しいです。

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