最近、アジが釣れない件について

🎣アジング

いつもご視聴頂き誠にありがとうございます。釣りって、学べる。です。

先日、ニュースでこのような話題が上がっておりました。今年に入ってから、全国各地で魚の大量発生など“海の異変”が確認されています。これはよく聞く話題ですが、今回取り上げるテーマは、水深250mの深海でアジが獲れていることについて解説いたします。今、海で何が起きているのかを知ることによって、逆にアジが居そうな場所も見つけやすくなると思います。最後まで宜しくお願いいたします。いつものように結論からみていきましょう。

①深海でマアジが獲れる

②9割以上は海が吸収

③貧酸素化と酸性化

それではこの3つについて解説いたします。

①深海でマアジが獲れるについて解説いたします。

関サバで有名な大分県。2〜3月は、サバが釣れる時期ですが、一日に数本しか上がってこないという状況のようです。
『氷見の寒ブリ』が特産の富山県。日本海の富山や新潟でとれるブリが近年、小型化しているようです。
『新巻鮭』で有名な岩手県。今年1月末現在で約445トン。2014年の1万7500トンに比べると非常に厳しい状況のようです。このような現象を起こす原因はどのようなことが考えられのでしょうか?
関係者の話によると、温暖化の影響による海水温の上昇が原因ではないかと言われています。去年、日本近海の海面の温度は、過去115年間で2番目に高く、平年より約0.6度高くなりました。

海水温の上昇が海の生物に影響を与えるヒントが、駿河湾の深海にあったようです。静岡県沼津市・戸田沖、約10キロのポイント。ここは最も深い所で水深が2500m。日本一深い湾です。

深海底引き網漁。深海に網を落として、1時間ぐらい引いて、深海生物を獲ります。水深約250m地点に生息する深海生物を狙い、ゆっくりと網を引いていきます。

深海から上がってきた網の中には…。
アカザエビ。今、深海のエビの中で最も高価な海老です。

アンコウの仲間のミドリフサアンコウ。

など、次々に深海の生物が確認されるその中に、衝撃的な魚が混ざっていました。

それが、マアジです。

普段は深くても30〜70メートルぐらいにしかいないマアジですが、深海と言われる水深200メートル以上のところに、生息していました。海の表層域を中心に生息するアジですが、駿河湾・戸田沖では、深海250メートル付近に移動している可能性があります。関係者によると、深海でマアジが獲れ出したのは今年からのようです。
さらに…。マイワシも深海で獲れています。水深20〜30mで泳いでいるような魚が、今、200メートルから上がってきています。

9割以上は海が吸収について解説いたします
海の温暖化は何が原因で起こるのでしょうか?それは、地球温暖化が深刻化すると共に海にも変化が起きていることが考えられます。

 温暖化と言うとまず「気温の上昇」に注目が集まりますが、実は、近年温暖化によって地球全体で蓄積された熱の9割以上は海が吸収しています。そして、海に起きている変化は、私たちの身近な所にも様々な被害をもたらします。

 例えば、近年観測記録を更新するような大雨が相次いでいますが「海水温の高さ」が影響あるされています。実際、日本近海の海水温も上昇し続けています。水温が高くなると、蒸発して大気に含まれる水蒸気が多くなるため、大雨が降りやすくなります。また、二酸化炭素の増加における海に起きる変化はそれだけではありません。

③貧酸素化と酸性化について解説いたします。

 水中の酸素が減ってしまう「貧酸素化」による酸素欠乏と、海の「酸性化」もあります。これらは水温上昇とあわせて海の生態系への「三大ストレス」になるともいわれています。

 酸素の欠乏は、水温が上がると水中に溶け込める酸素の量が減ってしまいます。呼吸している魚などの海の生き物には深刻な問題です。

 海の酸性化は温暖化と並行して、大気中の二酸化炭素の増加が原因になります。二酸化炭素が水に溶けると炭酸飲料などで知られる「炭酸」ができます。海水は元々ややアルカリ性なので、このアルカリ性が弱まって酸性寄りになる現象が海洋酸性化です。日本近海の海水のpHは毎年下がり続けていて、既に酸性化が進んでいることが確かめられています。

海の酸性化の問題点は何があるのでしょうか?

 酸性化は貝やサンゴ、エビやカニなど“殻を作る生き物”の生存に関わってきます。貝殻やサンゴ礁は主に「炭酸カルシウム」という物質で出来ていますが、これは酸に溶けやすい性質があるので、海の酸性化が進むと溶けやすくなったり、十分形成出来なくなってしまいます。海水温が上がったら魚はどこに移動するのでしょうか?

 水温が低い北の海へ移動するのではないかと考えてしまいそうですが、水温だけを考えて、生き物が生息地を変えることはなく、エサや住処など様々なことが必要です。人間も同じで、気温が暑い寒いで生活の場所を簡単に変えることができませんよね。生活の場所を変えるにはとても時間がかかります。そのため、急速な温暖化にすぐに適応できるとは限りません。

 気体は水温が低いほど水に溶けやすくなります。酸性化は、大気中のCO2が増えると逆に水温が低い北の海から影響が強まります。そのため、酸性化で特にダメージを受ける貝類など石灰化生物は、南からも北からも行き場を失ってしまいます。このままでは将来、世界のサンゴ礁はほぼ消滅してしまうとも予測されています。

まとめです。

 普段は深くても30〜70メートルぐらいにしかいないマアジが、深海と言われる水深200メートル以上のところに、生息しているという話でした。駿河湾・戸田沖では、深海250メートル付近に移動している可能性があります。深海でマアジが獲れ出したのは今年からのようです。

 温暖化は「気温の上昇」に注目が集まりますが、地球全体で蓄積された熱の9割以上は海が吸収しています。水温が高くなると、蒸発して大気に含まれる水蒸気が多くなるため、大雨が降りやすくなります。

 水中の酸素が減ってしまう「貧酸素化」による酸素欠乏と、海の「酸性化」もあります。酸素の欠乏は、水温が上がると水中に溶け込める酸素の量が減ってしまいます。呼吸している魚などの海の生き物には深刻な問題です。酸性化は貝やサンゴ、エビやカニなど“殻を作る生き物”の生存に関わってきます。

最後に海の生き物を守る温暖化対策はどうしたらいいのでしょうか?

 稚魚の放流などの生き物を増やす活動も行われていますが、これには大変な手間とコストもかかります。深刻な影響を避けるには、結局はCO2を大幅に減らし、脱炭素社会をめざす必要が求められます。

 個人間での意識改革では、その効果は極めて低いため、世界各国が足並みを揃えて対策を進められるかが問われます。

今回の授業は以上となります。「最近、アジが釣れない件について」の授業が今後の海面水温上昇の抑制に少しでもお役に立てることを願います。

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