マゴチの極意

ヒラメ

いつもご視聴頂き誠にありがとうございます。釣りって、学べる。です。今回はマゴチの極意を解説いたします。

マゴチという魚はソルトルアーフィッシングをする方なら割とポピュラーな魚ですが、釣りをしない方は中々目にすることのない魚と思います。夏に旬を迎えるマゴチはルアーで手軽に狙えるターゲットで、同じフラットフィッシュのヒラメよりも比較的簡単に釣れやすく、また、食べても美味しいことで近年はとても人気があります。今回はそのようなマゴチの生態や釣り方などを次の14項目で解説いたします。最後まで宜しくお願い致します。

マゴチとは

性転換する魚

真夏に釣るから照りゴチ

なぜ、頭が扁平なのか?

なぜ、眼が小さいのか?

マゴチの釣り方

釣れやすい時期

釣れやすいタイミング

マゴチの釣り場

タックルとルアー

マゴチの狙い方

誘い・アクション

食わせ釣り

マゴチ釣りに必要な装備

マゴチとはについて

分類スズキ目コチ科コチ属、別名コチ、ホンゴチ、クロゴチなど、マゴチとは、スズキ目コチ科に属する海水魚です。細長く平たい体型と、砂底に馴染む茶褐色の体色が特徴です。日本各地で見られる魚で、宮城県から九州までの太平洋沿岸や新潟県以南の太平洋・瀬戸内海沿岸に広く分布しています。マゴチは水深30mより浅い砂泥底を好み、砂に潜んで生活しています。砂底に擬態することで獲物や敵から身を隠し、エサとなる小魚や甲殻類が近づいてくると砂から飛び出て捕食します。その姿がまるで踊るように見えることから、漢字で「真鯒」と表記されるようになったと言われています。また、マゴチには「牛尾魚」という表記もありますが、これはマゴチの体型が牛の尻尾に似ていることに由来するようです。

性転換する魚について

マゴチは毎年4月から7月頃になると接岸し、浅場の砂地に産卵します。孵化した稚魚は表層付近を漂っていますが、徐々に底に移動して生活するようになります。生まれてから2年ほどは全ての個体がオスで、体長40cm以上になるとメスに性転換すると言われています。平均では体長60cm程度ですが、メスの方が大きく成長する傾向にあり、中には70cmを超える個体も確認されています。

真夏に釣るから照りゴチについて

5月ぐらいがマゴチの産卵期になります。ちょうど真夏から秋にかけて旬で、東京湾などでは、クルマエビやハゼ、メゴチなどの活きエサで釣ります。真夏のじりじりと照りつける太陽の下で釣るので、「照りゴチ」と呼ばれます。マゴチは、砂地や砂泥の海底に好んで棲み、ヒラメなどと同じように海底に潜んで、エサが近くに寄ってきたときにいきなり飛びかかります。海底に張り付くようにして身を潜め、エサを襲うにはヒラメのようなカラダ全体が平べったい理想の体型をしています。しかし、マゴチも含め、コチの仲間は頭部が扁平で、胴体は普通のサカナまでは行きませんが縦にわずかに扁平した体型。眼は小さく、しかも左右に離れています。不思議なカラダつきをしたサカナです。

なぜ、頭が扁平なのか?について

コチの仲間の中でも、マゴチは頭部が、異常に扁平しています。例えば、イネゴチやササノハゴチ、全長1mを越すエンマゴチなども、頭は扁平してはいるものの、マゴチほどひらべったくありません。しかし、マゴチは、まるでスコップのような頭部が平べったい形をしています。マゴチは、コチの仲間でも棲む場所が若干違います。おそらく進化の過程でこのようになったと思われます。なぜここまで扁平なのでしょうか?マゴチは、自分の前をエサが通るのを待ち受けて捕食します。もちろん、エサとなる生き物、例えばクルマエビや小さな甲殻類、ハゼやキス、メゴチの仲間など、この魚たちも、いつ何かに喰われるのではないかと警戒して行動しています。マゴチは気配を消すために、他のコチの仲間よりも少し深くカラダを海底の砂泥に潜り込ませるようにしています。カレイやヒラメも、砂地や砂泥の海底では、いわゆる縁側部のヒレを巧みに使って、自分のカラダをわずかに海底に潜らせます。そして、周囲の砂泥をカラダの上にかけるようにして潜みます。もちろんヒラメは、海底の色や模様にカラダを変色させることで、さらにカムフラージュの効果を高めて潜みます。マゴチは、自分のカラダをヒラメのようには変色させることはできず、胴の部分が太い丸型の体型なので、相手に見つかりやすくなります。その分、深めに自分のカラダを埋没させる必要があります。マゴチが自分の居場所をここだと決めると、まるでヘビがうねるような動きで、合わせて、小刻みにカラダを震わせます。すると、頭部は一瞬のうちに砂泥の海底に埋没し、あの太い丸型の胴部も完全に埋没します。そうすることで、自分の気配を消し、エサとなる生き物が無警戒に自分の目の前を通過させることで、捕食の確率を高めています。

なぜ、眼が小さいのか?について

コチの仲間は、イネゴチやエンマゴチなどは、大きな眼をしていますが、マゴチの眼は、イネゴチなどに比べてその大きさが10分の1ほどになります。砂泥の海底などに埋もれて隠れていると、眼は大きくないとエサの発見も難くなります。大切な眼が小さいと、捕食確率を減らしてしまいます。しかし、頭部を深めに沈めるためには、眼が大きいことは邪魔になるばかりでなく、その沈み込む動きの中で傷めやすくなります。眼は小さければ、傷めにくく、潜ってからも眼がそこにあることを気付かれにくくなります。眼を小さくすることで失われることも多くあります。それは視界が狭まり、視力的な能力が劣ることがあげられます。例えば、フクロウやメガネザルといった動物は、薄暗い中でも視力的要素を高めるために異常なほど眼が大きくなっています。カメラのレンズなども、普通のレンズよりも何倍も大きくすることで、レンズ性能を高めて、遠くのものをクリアに明るく写しています。眼を小さくすることで、マゴチも大きなリスクはあります。しかし、マゴチは、両眼の間隔をあけることを進化させてきました。失われていた視野の広さ、エサとの正確な距離感といったものを、眼の間隔をあけることで取り戻していると思われます。このような特徴をマゴチ釣りで活用すると、きちんとタナをとってエサが海底スレスレにあるようにすること、たまに大きなアクションでエサを躍らせ、マゴチの視界の中に自分のエサがあることをアピールすること。それが釣果を決定する大きな要素になります。

マゴチの釣り方について

ヒラメと同じようにフラットフィッシュと呼ばれて、平べったい体をしており、海の底に身を潜めています。夏は照りゴチと言われるように釣りの対象として最もにぎわいます。遠浅の砂浜や河口付近、そして、海底がゴロタになっている場所などで狙うことができます。特に夏は浅場に接岸してくるため、岸から最も狙いやすくなります。流れが速い場所は嫌う傾向にありますが、中層まで積極的にベイトを追うケースもあります。習性もヒラメと似ていますが、積極的に獲物を追いかけることは少ないです。待ち伏せして捕食することが多く、★んだベイトでも捕食します。晩秋から春先にかけては深場を狙ったり、越冬中の個体を狙うことで釣果が期待できます。しかし、低水温期はマゴチよりもヒラメの方が釣れやすく、マゴチメインで狙うよりもヒラメ釣りのゲストとしてマゴチが混じる感じで釣れることが多いです。初心者の方は、まずは初夏を中心としたハイシーズンにチャレンジしてみましょう。難易度は高くなりますが、釣果自体は冬や春先でも出すことは可能です。マゴチはヒラメと違って、時間帯や季節によって釣れやすさが大きく変わりやすい魚です。

釣れやすい時期について

8月に入るとポイント選びや探り方がシビアになってきます。難易度が下がりやすく、数釣りしやすいのは初夏になります。これからマゴチ釣りに挑戦される方は、釣行するタイミングが非常に重要です。不慣れな方は釣れやすい時期に釣行するのがおすすめです。この時期はマゴチが産卵のために接岸しやすく、群れになっていることもあるので何匹か連続で釣れる可能性も高いです。初夏を中心にマゴチは釣りやすいですが、真冬や春先といった時期でも、活性は落ちますが釣果を上げることは可能です。

釣れやすいタイミングについて

一番期待度が高く、簡単に釣れやすいのは朝マズメです。日が出てきて徐々に明るくなってきたタイミングが釣果実績が高くなります。目の前にしっかりルアーを通してあげれば、食ってくることがほとんどです。

マゴチの釣り場について

マゴチは砂泥底がメインの場所に広く生息し、細かな砂・砂利・泥底の場所ならどこでも釣果を出せる可能性があります。また、砂泥底の中に障害物や根が混じっている場所は更に期待できます。沈み岩や捨て石・カキガラ・テトラ・かけあがりなどが存在している場所は、積極的に狙ってみましょう。

サーフ

サーフは底質が砂泥底の場所のため、マゴチ釣りでは超定番のポイントになります。遠浅サーフでは、ポイントを絞ることが難しく、釣れる時と釣れない時の差が大きくなります。かけあがりがあるような急に深くなっているサーフでは、1年を通じて安定した釣りがしやすくなります。

漁港・堤防

マゴチ釣りといえばサーフを思い浮かべますが、砂泥底の場所なら漁港や防波堤でも釣れます。時期によって外洋に面した防波堤や、奥まった船溜まりが良い場合があります。漁港や堤防で狙う時は水深に注意が必要です。比較的、マゴチは水深が浅い場所を好みます。水深が20m以上の深場の場合、ヒラメやワニゴチなどが多くなります。

河川 河口

マゴチは完全な海水域だけでなく、汽水域にも入ってきます。河口周辺はベイトフィッシュの接岸も多く、一級ポイントになります。河川の下流域で、特に水温が低い時期は、大型の個体が河川内で釣れることが良くあります。流れが緩いところを中心に狙ってみましょう。

タックルとルアーについて

回遊性の高い魚ではなく、その場にとどまっていることの方が多くなります。そのため、まずは潜んでいる場所を探る必要があります。群れやつがいでいることが多いため一度バイトしてきた場所では立て続けに釣れることもあります。広く探るために、フラットフィッシュ用ロッドの9ftから10ftがおすすめです。マゴチの口の中は硬く、掛かりどころによってはフッキングしにくくなります。しっかりとハリ掛かりさせるにはバットが強いものがおすすめです。リールは3000番から4000番、少し波がある日でもルアーにアクションがつけられるように、ハイギアタイプがおすすめです。ラインの巻き取りが速く、突然のバイトにも対応することができます。ラインは1号から1.5号のPEライン、遠投することを考えれば、0.8号から1号でも可能です。リーダーラインはフロロカーボン5号、20ポンドを繋ぎます。ルアーは10gから28gまでを準備しておきましょう。イワシやボラの稚魚など、エサとなる魚の活性が高いと、マゴチもそれを追いかけることがあります。このようなときは、ハードプラグを使用すると反応がよくなることがあります。このような場合は、ボトムを狙わなくても、マゴチが浮き上がってきて、浅いレンジでバイトしてくることもあります。ジグヘッドを装着したワーム以外にも、テキサスリグも効果があります。遊動式のシンカーを使用するため、飛距離が出て、根掛かりしにくいリグになります。底の起伏が激しく、根掛かりが多発してしまうような地形では特に有効です。

マゴチの狙い方について

マゴチは海底で餌を待ち構えるタイプの魚です。ヒラメと似た習性がありますが、マゴチの方がより海底付近の餌に好反応を示しやすく、ヒラメは状況次第で中層や水面まで上がって餌を積極的に追うという違いがあります。マゴチ釣りではボトムをゆっくり・小刻みに探っていくのが基本の釣り方になります。サーフに近い河口付近やゴロタ浜を狙う場合、広い範囲を探ってみましょう。群れでいることが多く、その場で集中してヒットすることもあります。海底に張り付いたまま通りすがりのベイトを捕食しているため、狙うレンジは基本的にボトムです。主なルアーは、シンキングルアーやジグヘッドを装着したソフトルアーになります。狙い方はボトムスレスレをゆっくりただ引きしてくるのが効果的です。リフト&フォールも効果的です。マゴチはルアーを見つけると追ってくる個体もいるため、追いつくようなゆっくりとした速度でアクションをつけるのが良いです。小魚を追っているときは速引きが効果的です。反応が薄い、または、食い込みが良くない場合は、ソフトルアーをメインに使ってみましょう。シングルフックにするとフッキングしやすい傾向にあります。基本のアクションはズル引きになります。ジグヘッドをつけてボトムをバンピングするのも効果があります。一定間隔でリズムを付けながら、ボトムから50㎝ほど上を泳ぐようにアクションさせてみましょう。ルアーを選択する際には、その時期にマゴチが何を捕食しているか知っておくのも大切です。カラーや形などを限りなくベイトに近づけることで、ルアーにヒットさせる可能性が高くなります。特にワームを使用する場合は、シャコなどの甲殻類が多く生息していている場合はクロー系。キスなどが捕食対象ベイトになっているならシャッド系を選ぶなどしてベイトに合わせ変化をつけてみましょう。

誘い・アクションについて

マゴチを狙う際のルアーのアクションパターンとしては、海底ギリギリをゆっくり一定速度で巻く、ただ巻き。ロッドアクションを与え、ワームを上下に動かして誘いを掛ける、リフト&フォール。海底からルアーが離れないように、丁寧に引く、ズル引き。この3つを覚えておけば十分です。初心者の方は、リールのハンドルを2回転から4回転くらい誘いを掛けたら巻くのを止め、ルアーのアクションを止めてボトムを取りなおすのがおすすめです。動かしすぎはNGです。ルアー釣りで魚が釣れないという方は、ルアーを速く動かしすぎていることが非常に多いです。ルアーの動きと本物の餌の動きを比べてみれば分かりますが、多くの場合でルアーは本物の餌よりも動き過ぎ(目立ちすぎ)です。これがルアーの良さでもありますが、弱点にもなります。必要以上に大きなロッドアクションを与えたり、リールの巻き速度が速すぎたりすると、状況によっては魚に違和感を与えて食わなくなります。特に人が多い人気ポイントを攻める時や、活性が低い時はちょっとした違和感で魚がルアーに反応しなくなります。上級者の方ほどルアーは必要以上に動かさず、最小限のアクションで釣る方が多いと思います。釣れない時こそシンプルなただ巻きだったり、リールの巻き速度を微妙に変えたりする程度のちょっとした変化にとどめるようにしてみましょう。

食わせ釣りについて

船釣りの場合、活きエビや小魚をエサにしたテンビン仕掛けで狙う食わせ釣りが最もポピュラーです。ロッドはマゴチ竿のほか、シロギス竿やライトタックル用のロッドが使用できます。仕掛けは、タナ取りがやりやすい鋳込みテンビンを使ったものが基本ですが、シロギス用テンビンでも代用可能です。イワシエサの場合は、ヒラメ仕掛けのような胴付きタイプも使いやすいです。マゴチの歯はザラザラしているので、ハリのチモト(針の根元)はハリスをダブルに折り返してから結んでおくと安心です。エサがハゼやメゴチの場合は下アゴからハリを刺し抜き、エビの場合は口からハリを入れてハリ先を少し出します。エビの姿勢を安定させるため、ハリのチモトにイトオモリを4回から5回巻くとよいです。釣り方は、仕掛けを着底させ、エサが底ギリギリを泳ぐようなイメージで、オモリを持ち上げてアタリを待ちましょう。早アワセは禁物で、「ヒラメ40、コチ20」という名言通り、確実に食わせてからアワせるのがコツになります。

マゴチ釣りに必要な装備について

フィッシュグリップ

フィッシュグリップは必須です。マゴチは体にトゲがあり、細かい歯もあるので下手に触るとケガをします。釣り上げた時に激しく首を振るので、フックが刺さるリスクもあります。決して高価なフィッシュグリップは必要ありませんので、小さすぎないものを必ず1つ用意しておきましょう。

針外し ペンチ

ペンチも小さすぎないものを選び、安全にフックが外せるものを選びましょう。刃先にスプリットリングオープナーが付いているものや、ラインカッターなどが付いていると便利です。

タモ

マゴチはかなりバレやすい魚で、堤防やテトラ帯などで釣りをする時はランディングアイテムは必須です。適当に抜きあげようとするとバラす可能性が高く、水中で直接フィッシュグリップを使おうとすると、フックや魚のトゲでケガをするおそれもあります。タモ枠は50cm程度がおすすめです。シャフトの長さは釣り場によって合わせます。低い堤防なら4mほど、オールラウンドに使うなら5m。さらに足場が高い場所の場合は6mほどを目安にするのがおすすめです。シャフトの性能は価格に比例します。安いものは高級なものと比べると、剛性感や軽さ、掬いやすさが異なります。特に外洋に面した堤防やテトラ帯など、波の影響を受けやすい場所では高級なシャフトの方が圧倒的に使いやすくなります。波が無い漁港内などで使う場合は、さほど高級なものでなくても問題ありません。ランディングが難しい悪条件下でこそ、高級なランディンググッズは必要になります。

今回のまとめです。

これはマゴチ釣りに限らずすべての釣りに共通することですが、魚を釣るのが上手な方は変化を見つける力があります。魚も人と同じで、何もない砂漠よりも隠れやすい家があったり、食料となる小型の生き物が近くに集まってくる場所の方が棲みやすくなります。マゴチを狙う場合は、海底付近の変化を探すことが重要です。例えば、かけあがり、底質の変化、流れの変化、障害物、ルアーを引く感触だったり、着底までの長さなどの変化で分かるようになるのが上達への一歩になります。その他、流れ込む水によって水質や水温が変わっている場所もあります。慣れないうちは、目に見える変化を中心に狙ってみましょう。慣れてきたら、目に見えない変化を手元に伝わる感覚で発見できるようになると、マゴチを狙って釣れる確率がアップします。

今回の授業は以上となります。マゴチの極意がこれからのマゴチ釣りにおける釣果アップの手助けに少しでもなれば嬉しいです。

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