いつもご視聴いただき誠にありがとうございます。釣りって、学べる。です。今回のテーマは「ドラグ調整」を解説していきます。
「ドラグ」とは、魚の強い引きに対して、リールのスプールからラインが一時的に滑るように出て、ラインや仕掛けを魚の引きで切られないようにするための機能です。太いラインを使えば、ラインが切れにくくはなりますが、太くすれば潮の抵抗を受けてラインが流されたり、ラインの重さでルアーが思うように飛距離が出せなくなってしうことなど色々な弊害がでてきます。できれば、釣りのスタイルに合わせてできるだけ細くできるのが理想的です。今回の「ドラグ調整」の授業を受けることによって、適切なドラグ設定ができるようになって、釣りに合わせた細いラインを選定することできます。最後まで宜しくお願い致します。いつものように結論からみていきましょう。
- ライン強力値の20%
- 80%は摩擦抵抗など
- ロッドの角度は45度
- リールは絶対巻かない
- ドラグ調整は手で覆う
それではこの5つについて解説いたします
ライン強力値の20%
ライン強力値の20%について解説いたします。
ドラグを調整する際の数値は、ライン強力値の20%を目安として設定します。その元となる強力値は製品に表示されています。例えば、ナイロンライン1号の場合、強力4lb、その半分で約2㎏(実際は1.8㎏)となります。その20%ということは、2㎏調整する場合、2㎏×0.2=0.4㎏となります。強力値10℔の場合は、その半分で約5kg(実際は4.5㎏)となって、5㎏×0.2=1㎏となります。測定する道具は、専用のドラグチェッカーなどを使うのがベストですが、ない場合は500mlのペットボトルなどでも代用ができます。測定方法は、ロッドのティップ先端からラインを引き出し計測する方法が一般的ですが、ロッドのガイドを通さず、リールから直接計測する方法が正確です。ロッドの先端から引き出したラインで計測すると、実釣においてベールのローラーやガイドの摩擦などによって数値が変動してしまいます。
80%は摩擦抵抗など
80%は摩擦抵抗などについて解説いたします。
ラインに掛かる負担は次のようなものが挙げられます。
- ラインローラーの摩擦抵抗
- ガイドの摩擦抵抗
- ラインの傷
- 糸と糸の結び目
- 水中の障害物
- スプール径の変化
ラインローラーの摩擦抵抗とは、ラインローラーにはベアリングが入っていますが、90度方向が変わってくることが若干の抵抗になってきます。
ガイドの摩擦抵抗とは、魚が掛かったとき、ラインはガイドを通っています。スピニングタックルの場合、ガイドがすべてロッドの下側にあるため、ガイド自体に抵抗が生まれます。急に魚がラインを引っ張った瞬間、ラインに起こる抵抗はリールで発生する前にガイドで起こります。するとドラグ機能がが働く前にラインが切れるおそれがあります。
ラインの傷とは、ライン自体に傷が入ってるかもしません。すると、その弱い部分に集中的に荷重が掛かった場合かかりますので、その部分から切れることを避けます。
糸と糸の結び目とは、PEラインなどでリーダーを使用した場合、途中でラインとラインを結ぶための結び目があり、結節強度ともいいます。ラインにかかる負担のうち、引っ張る方向の負担に該当します。
水中の障害物とは、魚が水の中で何かのカバー(障害物)に回り込んでしまった場合、ラインが魚と障害物の間でどこかに触れてしまいます。その時に障害物に接触したことによる余分な荷重がかかることで、底から切れるおそれがあります。
スプール径の変化とは、キャストする前は、リールのスプールにいっぱいのラインが巻かれています。ラインを投げることによって、ルアーが飛んでいくとスプールの直径が細くなります。すると一番太い段階で図っていたドラグ値は細くなったところで測ると上がっていきます。実際に魚とやり取りしているときは、一番太いところで設定したドラグ値よりも上がっていることになります。これらのことをふまえて、ライン切れ(ラインブレイク)が起きないようにするためには、ドラグ設定はライン強度限界まで上げずに強度の20%設定ぐらいにしておきます。
ロッドの角度は45度
リールは絶対巻かないについて解説いたします。
魚が掛かって沖の方に向かって走るときは、ロッドを真上まで立ててやりとりをすると、魚へのプレッシャーは最大に上がってしまいますが、その反面、ラインへの負荷も最大に上がってしまいライントラブルを起こしやすい原因にもなってきます。また、ラインとガイドの角度が大きくなることによって、ガイドの摩擦抵抗も大きくなってしまいます。しかも、ロッドを上げ過ぎると魚が瞬間的に方向を変えたりした時に対応しづらくもなってきます。そこで、魚が力が残っていてラインを引っ張ってる時(ドラグが出されているとき)はロッドを45度くらいの角度に止めて、魚が走るのを待ってあげるようにしておきます。
リールは絶対巻かない
リールは絶対巻かないについて解説いたします。
魚がジリジリとラインを出しているときは、絶対にハンドルを巻いてはいけません。魚は寄ってこなくラインが巻かれていない状態でリールのベールだけがスプールの周りをぐるぐると回転することになります。すると、どのような現象になるかというとライン自体がグルグルと周り、ラインにヨレが溜まっていきます。ヨレが溜まると、キャストするときにラインがガイドに絡んで、道糸の途中から切れてしまう(高切れ)を起こしやすくなってしまいます。
ドラグ調整は手で覆う
ドラグ調整は手で覆うについて解説いたします。
どうしてもドラグを止めないといけない時は、ドラグを締めるのではなくてリールを外側から手で包み込むように手でスプールを若干抑えてあげます。そして、ロッドと一緒に少し持ち上げてあげます。そうするとドラグが滑り出しません。その後、魚が引っ張ったら緩めてあげます。リールを巻くときは、ポンピングといって、魚がかかった時に竿先を上下させながらリールを巻いて魚を浮かしていきます。竿先を持ち上げて魚を上へと引っ張り上げ、次の動作で竿先を下げながらリールを巻き、下げた分道糸を巻き取ります。 この動作を繰り返して、魚を上へ上へと引っ張り上げていきます。魚も体力があり永遠に走り続ける訳ではありません。ラインが引き出されるのを乗り切るまで、ドラグをフル活用して耐えましょう。
まとめ
今回のまとめです。
ライン強力値の20%を目安とします。残り80%は摩擦抵抗、ラインローラ―の摩擦抵抗、ガイドとの摩擦抵抗、ラインの傷、糸と糸の結び目、水中の障害物、そして、スプール径の変化などにより絶えずラインへの負荷は変化しています。魚とのファイト中のロッドの角度は45度。ラインに負荷が掛かりすぎるため真上まで上げないようしましょう。ラインが出ている間がリールは絶対巻いてはいけません。リールを巻く必要があるときはポンピングを活用してロッドを下げた分の糸を巻き取りましょう。ドラグが出されて魚が潜られてしまいそうな場合は、ドラグを緩めるのではなく、スプールを手で覆うにして若干固定しロッドと一緒に持ち上げましょう。
最後にドラグも含めた、リールの保管方法を紹介いたします。釣りをしていないときはドラグを緩めておきましょう。自分ルールで設定したドラグ位置から一回転緩めておくと、次回使用するとき、一回転させることで、ほぼ前回と同じドラグ値になるため微調整で済むようになります。
今回の授業は以上です。ドラグ調整の授業が今後の釣果アップの手助けになれれば嬉しいです。
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