いつもご視聴頂き誠にありがとうございます。今回はトップチニングについて解説致します。最後まで宜しくお願い致します。
チニングというとボトムを釣ることが一般的ですが、季節を選べばトップウォータープラグでも釣ることができます。醍醐味はやはり、水面を割ってルアーを襲う瞬間です。トップウォータープラグのため、ルアーを操作するだけでも楽しく、バイトの瞬間はとても興奮して、釣った喜びや達成感もひとしおだと思います。そのようなエキサイティングなトップチニングの基本を解説いたします。しかし、チニングをやり始めると誰もが一度は憧れるトップチニングですが、いつものボトム狙いとは違ってなかなか釣れません。本来、底にいるチヌを水面で釣ろうとなるとかなりの条件が揃わないとただ難しい釣り、釣れない釣りになってしまいます。そのような難しいトップチニングも、使うルアー以外に、この条件が揃えば釣りやすいという大事な条件があります。今回はその条件とは何かを中心に解説致します。最後まで宜しくお願い致します。トップチニングのベストな条件は次のとおりです。
5月から9月
シャロ―エリア
水深2m以内
ベタ凪
ささ濁り
多少の曇り
ゴロタや岩盤
小魚の接岸
夜明け前30分
水温20℃以上
5月から9月について解説いたします。
チニングでトップウォータールアーを使って釣れる時期は、水温の上がる5月ぐらいから秋までがおすすめです。特に、6月~9月中旬までの温暖期になります。水面を意識したチヌを狙う釣り方は長い雨が降っていた梅雨の時期が開けてからが最も適したハイシーズンになります。9月中旬以降や一時的な雨などにより水温が下がって、反応が悪くなっても、クロダイは同じ場所に居付いています。トップウォータールアーに反応がなくなってしまったそのような場合のために、ボトムを狙うルアーもタックルボックスには、常備しておいたほうが良いと思います。地域によってトップで釣れ出す時期に差がありますが、5月後半・6月頃から本格的なシーズンに入る地域もあります。気温が高い地域の場合は10月~11月くらいまでチヌが浮いてます。温排水などの生活排水が流れ込むような場所では、冬でもトップウォータールアーに反応するところもあります。
シャロ―エリアについて解説いたします。
トップウォータープラグでクロダイ・キビレを釣るためにもっとも重要なことが、場所の選択です。トップウォータープラグで食わせやすい場所を探す必要があります。結論、シャローエリアになります。例えば、遠浅の海岸沿いや海水と淡水が混ざり合う河口域、干潟状になっているところはトップウォータープラグで釣りやすいシチュエーションになります。チヌ・キビレは警戒心が強い魚ですが、かなり浅いところにもたくさん生息しています。膝くらいの水深のところでも泳いでいることが多くあります。浅いエリアがトップウォーターで釣る上で最大のポイントになります。満潮から下げ始めがトップチニングのスタートになります。浅瀬に入ってきていたチヌが、水位が下がってしまうまでに食事を済ませようとスイッチオン状態になります。そこに棲む小魚やカニ・エビなどの甲殻類を捕食します。
水深2m以内について解説いたします。
トップチニングは水面を意識しているクロダイを狙いますが水深があまりにもありすぎるところではクロダイはルアーに気がつきません。トップ狙いのチニングでは障害物がそれほどない場所では水深は2m以内が基準となります。それ以上でも、釣れないことはありませんが、クロダイがルアーに気付く可能性は、深くても2mくらいまでがベストです。ハイシーズンでは水深30cmもあれば近くまで上がってきます。杭や沈み岩などの縦の障害物がある場所の場合は、障害物に沿ってチヌが浮きやすくなります。このような場所を攻める時は、水深がもっと深くてもトップに出る可能性は十分あります。
ベタ凪について解説いたします。
トップチニングで水面の状況もとても重要です。強風が吹いていて水面に風が当たって水面が波立っているような状態のときは難しくなります。あまりスレていない外海に面した場所などは、狙って釣れないことはありませんが、 風波が立っているようでは釣りにくくなります。多少の小降り程度の雨の場合、逆に警戒心が薄れ、多少の水の濁りがあっても釣れますが、あまりにも水面が波打ってる箇所ではルアーの操作がしにくいのはもちろん、水の中にいる魚にも気づかれにくくなります。こういった状況下ではペンシルやポッパーよりも、リールを巻くと潜るフローティングタイプのクランクなどが有効です。可能であれば
初級者の方にはベタ凪がおすすめです。
ささ濁りについて解説いたします。
水の透明度については、濁っていてもクロダイはトップで釣ることができますが、場所によっては釣果に大きく影響が出てしまいます。濁りもささ濁り程度なら大丈夫ですが、大雨の後のような泥の混じったひどい濁りの場合、ルアーの存在感を消してしまうので、釣るには難しい状況になります。少し水の中の様子がみえるくらいがトップチニングではベストとなります。逆に透き通るようなクリアでは見切られやすくなるので注意が必要です。
多少の濁りがある場合はラトル入りのルアーを使用すると効果的です。
多少の曇りについて解説いたします。
トップチニングのシーズンになるとマズメの時間帯以外は日差しが強くなることが多くなりますが、雲ひとつない青空が広がる晴れ間よりは、多少の曇り空の光加減の方がおすすめです。トップチニングをする場合でも朝夕のマズメが最適ですが、光量だけを考えると、日中でも問題ありません。
ゴロタや岩盤について解説いたします。
水深が浅ければどこでもトップで釣れるというわけではありません。キビレは砂地でもいますが、ボトムがゴロタや岩盤などの、いわゆるハードボトムがおすすめです。かけあがりや沈み岩海藻などのチヌの隠れ家となるような場所を狙いましょう。
小魚の接岸を捕食について解説いたします。
ベイトフィッシュの接岸などもかなり重要になります。春のチニングはカニや貝などボトム系のエサを食べていることが多かったですが、夏になると小魚系を意識しだすようになります。海水温の上昇に伴って酸素濃度が薄くなると、群れから外れた弱った小魚などを、クロダイは積極的に捕食するようになります。
夜明け前30分について解説いたします。
トップチニングで一番確率が高いのは朝まずめになります。朝マズメはクロダイの活性がとても高くトップに出やすい時間帯となります。夜明け前30分ぐらいから釣りを開始するのをおすすめです。特に朝まずめの潮位が低くなっているタイミングであればさらに釣れる確率はかなり上がります。
水温20℃以上について解説いたします。
トップチニングの境界線ともいわれる、水温が20℃以上になるとクロダイ、キビレもトップで釣れだします。しかし、雨が多い梅雨は雨の影響で水温の変化も多く釣果にはバラつきが出やすくなります。最盛期は水温が25℃以上となる7月の梅雨明けから9月上旬くらいです。水温20℃を下回ると次第にトップへの反応が薄れてきます。ここからはトップチニングで使用するタックルについて解説いたします。
ロッドについて解説いたします。
長さは6フィート後半から8フィートまでが最適です。 特に7フィート前後の長さがおすすめです。トップチニングではトップウォータールアーにアクションを付けることがメインとなるため、長すぎるロッドでは操作性や取り回しが悪くなります。ストラクチャー等のキャスト精度が求められるポイントではショートロッドを、河川や河口などある程度流れが強い場所でもやり取りする場合や広いエリアでのロングキャストが必要なポイントではロングロッドを選ぶと良いと思います。トップチニングで扱うロッドの硬さはL~MLクラスがおすすめです。トップウォータールアーは軽量なものが多く、ラインスラッグを多少作って扱う方がよりアクションもさせやすくなります。そのため、あまりにも硬すぎるロッドはラインスラッグが作りにくく、動きも不自然になりやすくなります。柔らかすぎるロッドだとルアーを十分にアクションさせることが難しくなってしまう点やファイト時のチヌの突っ込みなどのパワーにも負けてしまうため、ある程度のパワーも必要です。ティップは、チニングロッドのティップはソリッドティップロッドも多いですが、トップチニングではロッドをアクションをルアーにしっかりと伝えるため、チューブラーティップを使う場合があります。最近ではチューブラーティップでもソリッドティップ並みの食い込みの良さがあるモデルもある場合や、その逆で操作性や感度の高いソリッドティップもリリースされているため、あくまで参考程度で構いません。初心者の方はまずは操作性の高い釣りにも向いているチューブラーティップタイプを選ぶことをおすすめします。
リールについて解説いたします。
リールは特にトップチニングに適しているものはなく、ボトムチニングでも使用しているもので構いません。スピニングリールならば2500〜3000番程度、ベイトリールならば海水対応の小型のものバス釣りで使うサイズを選びましょう。
ラインについて解説いたします。
スピニングリールにはPE0.8〜1号、ベイトリールにはPE1〜2号がおすすめです。リーダーは、バイトを乗せにくいことが多いため、伸びのあるナイロンラインがおすすめです。太さは3号から5号12lb〜20lb程度、長さは手を広げた1ヒロほどとれば十分です。
ルアー選びについて解説いたします。
ペンシルベイト
ペンシルベイトは左右へのスライドアクションと波紋でチヌに誘いをかけるのが得意なルアーです。ペンシルベイトの良いところは、ドックウォークさせることで広範囲にアピールできる点です。イワシやボラ・鮎の稚魚などの小魚系のベイトを捕食している時に有効で、これらのベイトが逃げ回っている魚がボイルしているのが見える時やこのような状況下で使います。素早くアクションさせるというより、綺麗にドッグウォークするようにアクションをつけ、たまにポーズをいれます。大きさは7cm前後を目安にして選んでください。活性が高く、餌を積極的に追い回すチヌを狙う時の食わせ能力に優れたルアーです。
ポッパー
ポッパーはアクションをつけた際、カップ形状の口が水を押して水しぶきを上げ、スプラッシュ音や空気を含んだポコンという音で誘います。ペンシルベイトに比べてアクション毎の移動距離が短いので、少ない距離でより多く誘えることが特徴です。大きさはこちらも7cm前後を目安にして選んでください。ポコポコポコと2〜3回アクションを入れ、2〜3秒ほどポーズを入れて使います。ポーズ中に食ってくることも多いです。アクションを与えた時に水しぶきと音でチヌにアピールするタイプのポッパーですが、エビやカニなど、小魚系以外の餌をチヌが食っていそうな時、小魚系のベイトが居るが、泳ぎ回っていない時、クロダイがボイルしている時、餌を捕食する姿が見えないなど、このような状況下においてはポッパーが効果を発揮します。捕食スイッチが入っていない、餌をこれから食うために準備しているチヌを音と水しぶきで捕食スイッチを入れて引っ張り出すような使い方に適しています。
ペンシルポッパー
ペンシルベイトとポッパーのちょうど中間的な位置付けで、オールラウンドに使えるルアーです。アクションをさせると、左右へクイックなドッグウォークするのが特徴です。ポッパーほどではないものの控えめな音と水しぶきがクロダイやキビレにアピールします。これに加えて、ややブレーキがかかる左右への首振りと波紋でチヌに誘いをかけることが可能です。トップウォーターチニングに使うルアーとしては、ベイトの種類や状況問わずに使いやすく、初心者の方はペンシルポッパーを用意しておくのがおすすめです。
カラーについて解説いたします。
基本的にアピール系、ナチュラルベイト系、濁り系、クリア系を揃えておくことをおすすめします。アピール系が一番良い時間帯は朝マズメとなります。日が昇る時間帯のためデイゲームの定番カラーのグリーンゴールドやチャートがおすすめです。ナチュラル系は、河川ならイナッコや、港湾部ならイワシカラーなどその場所に居着いているベイトにあったカラーが効果的です。トップ系のルアーで大事なことはベリー腹部のカラーです。水面を泳がせてくるトップウォーターを追いかけてくるチヌは、下から上を見上げていて、水面を泳ぐ魚の腹部しか見えていない状態のため魚に見えやすいベリー腹部のカラーが重要です。魚はほとんど腹部だけは白いものが多いです。そのため、ベリー腹部が白またはシルバーなものを選ぶようにしてみましょう。雨上がりの水が濁ったシャローポイント等で有効なカラーは、濁りに強い黄色かゴールドのカラーがおすすめです。カラーは水中から見た空の色と同化できるカラーがスレさせにくいとも言われています。晴天時ならクリア系、曇りや雨ならシルエットがはっきりとするブラックなどのカラーがおすすめです。
最後に釣るためのコツを紹介いたします。
チヌ・キビレは果敢に水面を割って食ってきますが、非常に掛かりにくいのが特徴です。魚が食ってきたからといって早アワセは禁物で、しっかりと竿に魚の重みが乗ってからフッキングするようにしまよう。ルアーの引き波を食ってくることもよくあり、バイトしたのにまったく魚の重みが乗らないときは焦らず、ルアーのアクションスピードを少し遅くして動かし続けてみましょう。もしくは、アクションのたびに間を入れて、ルアーをしっかり止めながら誘うのも有効です。1度食ってきて乗らなくても、アクションを続けて、何度も食ってくることがよくありますが、掛からなかったからといってルアーをすぐ回収するのはNGです。濁りが出た時の狙い方は、チヌの目の前にルアーを通すことを重視しましょう。濁りが入った時は、普段よりも浅いスーパーシャローエリアや駆け上がりの斜面や縦のストラクチャーなどの際ギリギリを狙います。透明な水質の時はクロダイを追わせて食わせることもできますが、ルアーを途中で止めるポーズを入れ過ぎてしまうとクロダイがルアーを見切ってしまいます。そのため、リトリーブ速度は早めであり、ポーズをできるだけ挟まずに動かし続けるのが基本になります。ポーズを入れるとしても、アクションに緩急をつけて食わせの間を与えるために一瞬、長くても0.5秒以下で充分です。短いステイと移動距離の少ないドッグウォークを繰り返す事で、クロダイやキビレの食性に合わせた逃げ惑う小魚を演出しましょう。クロダイやキビレはシーバスなどと比べて口が小さく基本的に食べるのが下手な魚です。また、特にキビレの場合は、何回もベイトに噛みついて襲う、追い食いの傾向があります。そのため、水面が爆発する激しいバイトを目視で確認できても、ミスバイトが多くなります。手元に魚の重みが伝わるまではアクションを止めることなく、そのままルアーを動かし続けましょう。数回の追い食いの後に大きなアタリが伝わったら、その時に初めて合わせを入れましょう。一回目のバイトの時点で合わせを入れてルアーがすっぽ抜けて、逆にアクションを止めても、魚がルアーを見切ってしまいます。ミスバイトがあったら、そのバイトにびっくりして逃げ惑うベイトを演出しましょう。チヌに追いつかれないようにアクションをつけながらルアーを動かし続けるくらいが、結果的にフッキング率は上がります。
今回のまとめです。
トップチニングのベストをまとめるとこのようなります。
5月から9月
シャロ―エリア
水深2m以内
ベタ凪
ささ濁り
多少の曇り
ゴロタや岩盤
小魚の接岸
夜明け前30分
水温20℃以上
アクションをつけながらルアーを動かし続ける
今回の授業は以上となります。シン・トップチニングの授業が今シーズンの釣果アップの手助けに少しでもなれば嬉しいです。
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