いつもご視聴頂き誠にありがとうございます。釣りって、学べる。です。今回はカサゴを解説いたします。
カサゴ釣りは日本各地の沿岸で手軽に楽しめます。食べても美味しいことから、狙う魚としても人気が高く、様々な釣り方が可能です。ルアー釣り初心者の方にもおすすめなターゲットで、身近なフィールドでお手軽に釣りやすい魚です。カサゴ釣りでルアー釣りの基本を覚えて、そこから色んなターゲットにステップアップしていくのもおすすめです。今回の動画で、カサゴの特徴からどのような釣り方があるかなどを解説いたします。最後まで宜しくお願い致します。重要なポイントは次の6つになります。
①日本全国、幅広く分布
②浅場は黒く、深場は赤い
➂産卵期は12月から2月
④笠をかぶっているようにみえる
⑤根掛かりを考慮した仕掛け
⑥釣ったらすぐクーラー
日本全国、幅広く分布について
カサゴ【笠子】分類カサゴ目フサカサゴ科カサゴ属、別名ガシラ、アラカブ、アカメバル、カサゴが属するフサカサゴ科は、50属300種ほどからなる大きなグループで、釣りの対象魚としても人気のメバルやムラソイなど数多くの魚種を含みます。カサゴには、アヤメカサゴやイズカサゴ、ウッカリカサゴなど、なかなか見分けがつかない近縁種が多いです。アヤメカサゴは黄色いまだら模様で比較的容易に判別することができますが、とくにウッカリカサゴは、その名が示す通り「うっかり」カサゴと間違えてしまうほど判別が難しいです。ウッカリカサゴは1978年、ソ連の学会誌に新種として発表されたもので、その後、魚類学者である阿部宗明(あべ・ときはる)氏が「日本の魚類学者もうっかりして新種と気付かなかった」と、この和名がつけられました。本種は、北海道南部以南〜東シナ海と幅広く分布しています。
浅場は黒く、深場は赤いについて
カサゴで特徴的なのは頭部の棘で、鼻、眼の前・上・後ろ、耳、額、そして頭と頭頂に1対ずつの棘があります。アヤメカサゴには、これらの棘にくわえて眼の下方にも棘があります。体色は個体や生活環境による変異が大きく、濃い褐色から赤味を帯びたものまでさまざまです。一般に、浅場にいるものは黒っぽく、深場になるほど赤っぽくなるといわれています。海の深いところでは赤い光が届かないので、赤っぽい色が保護色となるためと考えられています。また、カサゴの胸ビレの付け根付近にある暗色斑は、ウッカリカサゴと判別するひとつの手だてとなります。
産卵期は12月から2月について
沿岸の岩礁帯に棲み、主に夜行性で日没後にエサをとります。成魚は甲殻類やハゼ、トラギスなどの小魚、さらにはヒザラガイやフジツボまで食べます。0歳の未成魚は、アミや多毛類も捕食します。大部分が2歳、15~16㎝で成魚になり、メスは11月から12月に成熟します。抱卵数は2歳で10000粒程度ですが、4歳から5歳になると70000粒ほどと非常に多くなります。胎内で受精する卵胎生で、オスが成熟する10月から11月初旬に交尾し、メスの卵が成熟する11月ごろに受精します。仔魚は12月から2月に約15日間隔で3回から4回にわたって産まれ、20㎜近くに成長すると浮遊生活から底棲生活に移行します。成魚は体長20㎝ほど、最大で30㎝ほどにまで成長します。カサゴは縄張りをもつことでも知られており、激しく縄張り争いをする光景も観察されています。しかし、放浪性の個体や、定住するものの縄張りはもたない個体など、さまざまな性質をもち、行動の異なる個体が混在します。なお、ウッカリカサゴとアヤメカサゴは、カサゴより深いところに棲息しています。
笠をかぶっているようにみえるについて
カサゴの地方名は、近畿・四国ではガシラ、ガシ、熊本・鹿児島ではアラカブ、ガラカブ、ガブ、岡山ではアカメバル、アカチン、宮崎ではガガラ、ホゴというように非常に多彩です。漢字では「笠子」、もしくは「瘡子」と書き、前者は頭部が大きく笠をかぶっているようにみえるところから、後者は瘡蓋(かさぶた)ができたようなところからきています。また、地方名のガシラとは、頭(かしら)が大きい魚というところからつけられたといわれます。
カサゴは武骨でいかにも勇ましい面構えをしているところから、江戸時代には端午の節句の祝魚として用いられました。また、佐渡島では魔除けとしてカサゴの干物を軒先に吊るしたといいます。反面、カサゴをマイナスイメージにとらえた話もあります。ひとつは、「磯のカサゴは口ばかり」ということわざです。これは、カサゴは大きな口に対して食べる部分が少ない、つまり、口先ばかりで実行力がないことを意味します。また、寛政の末、カサゴが江戸に出回ったが、味がよくなかったことから、愚か者を意味する「あんぽんたん」と呼ばれたこともあったといいます。くわえてその面構えから「つら洗わず(顔を洗っていない)」とも呼ばれたりしてました。
根掛かりを考慮した仕掛けについて
カサゴは堤防や磯まわり、ゴロタ場などの岩礁帯に棲息しているので、根掛かり(海底の障害物に針、オモリが引っかかる)に考慮した仕掛けや釣り方が必要です。また、沖の深い根や沿岸でも岸からは届かないポイント(魚の居る場所)は船釣りで狙います。
探り釣り
岩礁や防波堤の隙間にエサを落とし込んだり、軽く投げて海底を探りながら釣る方法です。ポイントを広く探るには4.2mから5.3mの長さのある磯竿が有利です。また、足元を狙う場合は6フィートから7フィートのルアーロッドが使いやすいです。仕掛けはミチイト(竿、リールから来るメインの糸)にブラクリ(オモリと釣り針が一体で、着色した物)などを付けたシンプルなものですが、ひらひらとアクションしながら沈下する「ブラー」などの短冊型オモリを使うとアピール度がアップします。エサは、アオイソメやサンマの切り身などが一般的です。ポイントに仕掛けを投入し、できるだけ海底近くまで落とし込んでいくのが基本です。アタリ(魚が食付いた信号)があったら即アワセ(魚の口に針を掛ける)して、カサゴを根(海底にある岩場)から引き離しましょう。
ルアー釣り
海底をじっくり探るなら、ワームのテキサスリグが一番です。ワームは上下動で誘えるホッグ系と、スイミングで使うシャッド系を用意しましょう。カサゴのエサとなる小魚が多い状況では、ミノープラグも効果的です。ルアー釣りにつきましては、別の動画で詳しく解説いたします。よかったら、チャンネル登録宜しくお願いいたします。
投げ込み釣り
磯や岩礁の多い堤防などでは、投げ込み釣りも人気です。岩礁帯は根掛かりが多いので、胴突き仕掛けでエサ(ハリ)が底を離れるようにして、オモリは捨てイト(切れても良い様に、オモリの上に結ぶ細めの糸)で接続しておきます。エサはイソメ類やイカの短冊などを使います。また、サンマの短冊の塩漬けも食いがいいです。仕掛けを投入したら置き竿でアタリを待ち、アタリがあったら確実にアワせます。魚が掛かったら根に入られないように、一気に巻き上げるのがコツです。
船釣り
カサゴは船釣りでも人気の魚です。竿や仕掛けは各船宿で推奨するものがあります、胴突き仕掛けで狙うのが一般的です。メバルほど根から浮き上がってこないので、きちんと底を取る(オモリを海底まで沈める)ことがカサゴの釣り方のポイントです。根掛かりを嫌がって仕掛けを底から離しすぎると釣果が上がりません。
釣ったらすぐクーラーについて
一年中おいしく食べられる魚ですが、旬は冬〜春。身は引き締まっていて、クセのない上品な味わいです。ただし、鮮度が落ちるのが早いので、釣ったらすぐに締めてクーラーボックスなどに入れて鮮度を落とさないようにしましょう。また、頭や背ビレの棘が鋭いので、さばくときに手を怪我しないよう気をつけましょう。どんな料理にも合いますが、刺身にすると取れる身が少なくなってしまいます。ブイヤベースや味噌汁など、汁物にするとダシが出ておいしくいただけます。小型の魚は唐揚げや煮付けにするのがお勧めです。二度揚げすれば骨も食べることができます。また、煮付けで残った骨やゼラチン質の部分に熱湯を注ぐと、おいしいスープがとれます。
今回の授業は以上となります。カサゴの授業がカサゴ釣りにおける釣果アップの手助けに少しでもなれば嬉しいです。
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